2022年度の「つながるカフェ」は、下記2つのテーマで場を開きました。
◆防災カフェ
◆音楽カフェ
◆防災カフェとは?
この12年、いつどこで激甚災害が起こってもおかしくはない状況となりました。
気が滅入ってしまうようなことばかりですが、なんとか元気を出して、安心して暮らせる社会となるように、ひとりひとりの力を合わせて、防災・減災の取り組みを広げていこう!と集まったメンバーで活動をスタートしました。
「防災カフェ」って何をするの?
☆月イチ開催
防災に関心がある方が集いつながる場。
カフェでは、気軽にワークショップを開催し、ざっくばらんに、意見交換や情報交換をしています。
■活動報告
【8月】
~防災カフェの輪広がっています~
今月の防災カフェには、来年の移転を前に京都市立芸大生が参加されました。
参加者それぞれの災害の体験談や備蓄の話、昨今の防災教育や地域の避難訓練の実情など多岐にわたる話を聴き合いながら、こんな「モノ・つながり」があったらいいよねと話が尽きず、今後の展開に期待膨らむ時間となりました。
被災経験のあるメンバーの中には、「防災対策をとることで逆に災害を引き寄せてしまうのではないかという恐れから、経験があるがゆえに備蓄することに抵抗を感じていたが、毎月ここで、時には笑いあいながら話をしたり聞いたりすることで、対策をとるハードルが下が
り備蓄に取り組むことができるようになった」との声がありました。
災害への不安は誰にでもあるもの。
不安にゆるやかに向き合いながら、防災対策のアイデアを出し合い、様々な試みを展開していきます。
【9月】
~2つのワークショップを開催しました!~
今月は、2つのワークショップ「鴨川大水害のお話を聞こう」「避難所シミュレーションゲームをしよう!」を開催しました。
1つ目は、水害についてのワークショップ。
講師は、今年度「鴨川コミュニティラボ」を立ち上げられた吉田さん。
「昭和10年の鴨川大洪水」を通して災害に備えることの大切さを伝えたいと活動されています。
鴨川は、平安時代の昔から、白河法皇に「天下三不如意」と言わしめるほどの暴れ川だったとのこと。
まずは、貴重な映像を視聴。四条大橋や三条大橋などが次々に壊され、川床も流されていく様子に息をのみました。
昭和10年6月28日午後7時から降り始めた雨は夜中から猛烈な雷雨に変わり、明けて29日は、バケツをひっくり返したような豪雨が続き、同日午後2時までの雨量は実に281ミリ。
最終的に流出した橋梁は56。橋梁の流出は、次の橋梁の流出や破損を招いて事態を悪化させていきました。
豪雨が過ぎ去ったのは7月2日。浸水家屋50,140戸、全壊半壊・流出家屋590戸、死傷者164名、罹災者総数は十数万人に上る大水害となったそうです。
映像には、たくさんの流木が橋に引っかかっている様子が映ります。これは、前年の台風でなぎ倒された山の木々が豪雨で川に流されたからであり、まる1年倒木が放置されていた理由が、当時は戦時中で男手が足りなかったから、とのこと。災害はまったなしで起こるものだと、皆さん聞き入られていました。
2つ目のワークショップでは、「避難所運営シミュレーションゲーム」に挑戦!
講師は、「防災・減災に関心を持ってもらいたい!」とこのゲームを体験していただく活動をされている近藤さん。
このゲームは、避難所運営をみんなで考えるためのアプローチとして、静岡県が開発した図上訓練。具体的で実践的な避難所運営を疑似体験できるというもの。
設定は、真冬の雨が降る日に起こった大地震。避難所は地域の小学校。カードには、避難してきた住民の特徴が書かれています。これを読み手が矢継ぎ早に読み上げ、みんなで知恵を絞りながら適切な場所に配置していく。いつの間にか多世代の参加者の皆さんが、ググっとゲームに没頭されていました。
「8か月の妊婦さん、猫1匹」「額にケガをしている」「世帯主不明の家族」「3歳の3つ子とお父さん」「全盲の世帯主と盲導犬」「両親を亡くした3歳と5歳の子どもが近所の方に連れられてきた」「外国人バス旅行ご一行」等々、特徴のひとつひとつに「うーーーん」と唸りながら、体育館と教室、保健室などに瞬時に適切に配置していくという難題に取り組みます。
読み上げるカードには、住民の特徴だけではなく、容赦なく起こる事柄も書かれています。「マスコミ対応お願いします」「仮設トイレ到着しました!」「咳が止まらない男性、インフルエンザ感染の疑いあり」「一部損壊のやつは帰れ!と喧嘩が始まる」等々。非常事態の最中、様々な対応を迫られていきます。
中には、「明日総理来ます!」というカードも。
参加者からは、「え!こんな時に!!!」「私会いたいわ~。」などの声。
疑似体験をすることで、災害が起これば「みんなが被災者」、誰かが・誰もが、避難所を運営しなければならない現実に思い至り、「避難所に行けばいいだけだと思っていた。実際には、避難訓練のように初めから指定された場所にスムーズに移動できるわけではないと気付いた。こんなに大変だとはわからなかった。」「運営する側の大変さが身に染みた。」「公助に頼ることに限界を感じた。共助・自助の大切さに気付かされた」などの感想をいただきました。
今後も、防災カフェでは、ワークショップ等を駆使しながら防災・減災の大切さを学び伝えていきます。ひとりでも多くの方の「もしも」に備えるきっかけとなれたら嬉しいです。
【10月】
~お菓子でローリングストック体験しました!~
今回は、ローリングストックをお菓子バックづくりを通して体験しました!
今月末にはハロウィンもあるので、お菓子バックづくりは一石二鳥。
防災は、日常の中に落とし込んでこそ、いざという時に役立つはず。
ということで、今回は、楽しみながらの防災カフェとなりました。
備蓄というと、動き出すまでに腰が重くなりがちですよね。
それを、日常遣いのものをストックし、定期的に使い、また買い足す、という循環をつくりストックする、という方法がローリングストック。
いつも食べなれているものをストックすることになるので、賞味期限が切れる前に使うことも自然にでき、美味しくいただくことができる、万が一、災害が起こった時にも食べ慣れているものをいただくことができる等のメリットがあるとのこと。
お菓子バックを作りながら、意見交換・情報交換をしました。
今回のようにお菓子ならそのまま食べることができるけれど、食事となると、やはり温かいものも食べたくなります。ストックしたものを食べるには、水やカセットコンロの備蓄も必要になるよね、どのくらい必要かな、トイレも心配だよね、大人用のおむつも役立つんだって等々、お菓子バックづくりから、万が一の災害時に必要なものと備え方の想像が膨らみ、備えるきっかけになったとの感想をいただきました。
まずは、できることから、時には楽しみながら防災カフェの時間を積み重ね、「防災・減災」を日常に落とし込んでいく活動を作っていきたいと思います。
【12月】
~防災カフェ・簡易ランタン作りました!~
今月は、防災グッズのひとつ「簡易ランタン」を作りました。
ご自宅や職場、カバンの中などに懐中電灯はありますでしょうか?
工夫してランタンに替える活用術を2つご紹介します。
いずれも、光の乱反射を利用したものなので、火を使わず安全です。
①懐中電灯の上に水を入れたペットボトルをのせるだけで、周りを照らすことができます。懐中電灯が安定しない場合は、「カラになったペットボトルを懐中電灯の高さより5cm高めにカットしたもの」に入れて、その上に水の入ったペットボトルをのせてもOK。
②懐中電灯にレジ袋をかぶせるだけでも◎。
クリスマスのこの時期、キャンドル代わりに「簡易ランタン」を作ってみてはいかがでしょうか?
腰が重くなりがちな防災対策。楽しみながら防災文化を育んでいけたらいいですね。
防災カフェは、いざという時に役立つモノ・コトを伝え合う場となっています。
【1月】
~防災袋の中身をカスタマイズする!~
今回の防災カフェは、「自分に合った防災袋をカスタマイズする」というテーマのもと、「実際に防災グッズを開封し試してみる。」の体験をしました。
ネットやTVなどでよく紹介される防災グッズ。
試してから購入できたらいいな、といいうことで、今回は、「食」「防寒」「衛生」「道具」のカテゴリーに分類されるグッズに絞って、「使いこなせるのか」「効果を感じることができるか」などの視点で数点試してみました!
●万能ナイフ:「ちょっとこれは、出し方がわかりづらい、いざという時使いこなせないかも」「買ってしまっておく、ではなく、買ったらまず試してみることが必要やね」
●ゼリータイプの保存食:「のどが潤うから水に限りがあるとき良さそう。」
●アルミブランケット:「軽いし保温はもちろん、目隠しにもいいかも。」「光を反射するから、ここにいるよ、と救助を求める時にも役立ちそう」
●携帯ポンチョ:「雨に濡れて体温が下がることを防げるね。結構大きいから目隠しが必要なトイレの時にも使えそう」
●防災笛:「息が少なくて済むし、遠くまで聞こえるから必需品やね」
●防災トイレ:「これは自宅や避難所用にリュックに備えるタイプやね。」「私は、バック用にいつもこんなの携帯しているよ」
等々ご感想や知恵を共有する機会となりました。
防災グッズをみんなで体験し感想を聴きあうことで、様々な被災パターンを想像したり、使い方の知恵など得ることもでき、対策をとりやすくなりそうです。
阪神・淡路大震災から、まもなく28年を迎えようとしています。
その教訓をもとに防災グッズも進化し続けています。
今後も、どこ(家・学校・勤務先・移動中のバックの中等)に何を備えておいたら良いのか、自分に合う防災袋をカスタマイズしていくためのきっかけの場をつくっていきたいと思います。
【2月】
~防災カード&防災に活かせる筋トレしました!~
今月の防災カフェでは、「きょうとみんなの防災カード」と「防災にも活かせる筋トレ」ワークショップで頭と身体の筋力UPを図りました!
まずは、防災カードから。
今回使用の防災カードは、“京都府男女共同参画センター らら京都・京都市男女共同参画センター ウィングス京都 ”発行の「きょうとみんなの防災カード」。
男女共同参画&多様な視点から、災害時に発生する様々な困りごとへの対応を考えるカード形式の教材です。
先日、ウィングス京都さんで開催されたワークショップに参加したメンバーが、「気負わず、小さなコミュニティでもチャレンジすることが大切!」と、さっそく、ふれあいサロンのコタツでミニワークショップ開催。
カードに書かれている「問い」をもとに議論が弾みました。
次に、取り組んだのは、「筋トレ」。
災害時の「心身の緊張をほぐすための体操」と「いざという時のため」の筋トレメニューを実施。
激甚災害が多い昨今。自身が被災せずとも、見聞きするだけでも心身が緊張してしまうことがあります。身体をほぐすことは過敏な心をほぐすことにもつながり、災害時はもちろん、日常生活にも大切なことだと実感しました。
日常生活で習慣化できたことは、災害時にもきっと役立つはず。
このメニューは、毎回取り組むのが良さそうです。
ふれあいサロンの防災カフェでは、毎月一回、気負わず、参加者の皆さんの「やってみたい」をみんなで一つ一つ実施しながら、「防災・減災」力を、日常生活の中でじわじわ~っと鍛え続けていきたいと思っております。
【3月】
~防災カードにじっくり向き合ってみよう~
今月の防災カフェでは、防災カードに1枚ずつ向き合いました。 テーマは4つ。「安心安全な避難所」「衛生・健康を守る」「男女共同参画な備え・運営」「多様な視点で備える」。
各テーマのカードを1枚ずつめくり、そこに書かれている問いに答えていく、というワークショップ。答えながら気づくこともあり、数人で話し、聴き合うことから見えてくる「自分が備えるべきもの」「普段から知っておきたい社会課題」。 災害という先の見えないストレス・不安から、平常時にある問題はより深刻化しやすいことなど、具体的にイメージすることができました。
この防災カードは、全部で52枚。52の問いがあります。どれもこれも、瞬時には、答えられないような、「うーーーん」と唸ってしまうような問いが並んでいます。いつ出会うかわからない災害への備えとして、年間を通して「じっくりと向き合っていきたい」というお声をいただきました。
向き合うことは、なかなかしんどいこともありますが、年間を通して楽しみも入れながら、防災カフェの場を継続していきますので、次年度も、よろしくお願いいたします!
◆音楽カフェとは?
音楽カフェは、個人で楽器を楽しまれている方々が出会い、語り、コラボできたら楽しいだろうなぁ~、という思いから始まりました。
今後、センター主催のイベントの場づくりとして演奏していただいたり、鴨川や、高瀬川に崇仁テラスが設置されたときなどには、出張音楽カフェ、なんていうのも楽しいだろうな、と企み中。
今年度は、ウクレレ、篠笛、クリスタルフルート、ピアニカ、ハーモニカ、タンバリン、スリットタングドラム、等々の楽器でがコラボを楽しみました。
こんな企みごとにお付き合いいただける方募集中です!
■最後に
新型コロナ感染拡大を鑑みながら2021年度にスタートした「つながるカフェ」。
2023度は、様々な社会活動が、少しずつ平常へと戻りつつある兆しが見えてきているように感じます。これまでのつながりを大切にしながら、さらに「つながるカフェの輪」を広げていきたいと思います。
ご興味お持ちの皆様のご参加をお待ちしております!よろしくお願いいたします。
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